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女子もオープンにエロを発信する時代。 元気でハッピーなエロライフを 16人の女性に聞きました。
エロを笑いへと昇華、アダルトオンリーの上方落語
桂ぽんぽ娘(44)落語家
東京都葛飾区生まれ。名古屋で芸人として活動していた際に、現在の師匠に誘われ落語の世界へ。落語とエロを掛け合わせたピンク落語家として人気を博す。現在は関西圏を中心に活動中。
―性に興味を持ったのはいつ頃ですか?
 25歳のときです。当時、芸人として活動しているときに、私の浮気が原因で旦那と離婚することに。その後は劇場で寝泊まりをする生活を送っていました。家を探すまでの間、二十日間もそこで暮らしていると、夜中に寂しくなる瞬間があるんですよ。あまりにも寂しいので先輩芸人に相談すると、男はそういうときはシコるから女もシコればいいと。その言葉をきっかけにオナニーをするようになりました。そのときまではあまりオナニーの経験がなかったので、最初は見よう見まねでしたね。今でも覚えているのが、楽屋の化粧台の角でパンツも履かずにオナニーをしていたら、局部にささくれが刺さって夜中に緊急搬送されたこと。3万でそのささくれを抜いてもらって、その週のギャラがすべて飛びました。最近は、セックスもすごく気持ちいいですね。昔、童貞の人とセックスをしたとき、彼にいいところを見せようと、騎乗位で左右に揺れていたら、彼がちっちゃい悲鳴をあげていて。気持ちいいのかと思っていたら、痛かったようなんです。そうやって二人で試行錯誤しているうちに、私の何かが開花したのか以来セックスが気持ち良くなったんです。だから、できれば誰かのおちんちんがいいけど、なかったらオナニーをするしかない。私にとってオナニーは非常食なんです。
―落語とエロが融合した、ピンク落語を始めたきっかけは?
 今でこそ落語は男女関係なくやるものになりましたが、私が始めた当初は、男の仕事という考えが根強くて。そもそも落語自体、男性が主役で男性が楽しむための娯楽なんです。だから女の人が殴られようが理不尽に扱われようが、あんたがいてくれたらええねんみたいな女性ばかり登場します。本当に、おちんちんご都合主義な世界なんです。さらに女の私は周囲から厳しい言葉をかけられることも多く、心底落語が嫌になった時期もありました。いよいよ行き詰まり、師匠に相談すると「結局お前は何が好きなのか」と聞かれたんです。私、「セックスが好きです」と答えたら、それでいけと。もともと、男性目線の落語には違和感を感じていたので、男の人が聞いたらそんな男はいねえだろって思うような、女性目線のエロい話があってもいいんじゃないかと思い、ピンク落語を始めました。
―新作ピンク落語のアイデアは、どこから得るのですか?
  アイデアは自分の性欲。たとえば米朝一門の中に、桂小鯛くんや桂あさ吉兄さんという落語家がいるんですけど、私は二人のことが本当に好きなんですよ。しかし私も再婚し、彼らも結婚しているので、関係を持つことができない。だからセクハラだと分かりつつも、二人はこんなセックスをしているんじゃないかと妄想をして、新作のピンク落語を作っています。寂しくて悶々とする夜もオナニーをして、それをネタにする。自分の性欲や寂しさがネタになり、さらにはお金になるんです。ただどんな話も、最後には必ずハッピーエンドになるように心がけています。たとえば中折れしちゃった人の話やインポの話を、笑えないネタにすると傷つけることになってしまう。エロに関するネガティブな思いを抱えている人も、ネタで笑い飛ばすことで、最後には幸せにしてあげたいんです。
―今後の落語界、ぽんぽ娘さんはどうなってほしいですか?
 最近では女性落語家が増えてきた影響もあり、男の人が気を遣ってくれるようになりました。以前は、女性落語家が廊下で衣装に着替えるなんて当たり前でしたが、今では更衣室を用意してくれるように。私は見たいし見られたいタイプなので、寂しいですね…。ただ女性が落語を始めやすい環境になってきているので、今後はピンク落語をやる若い女性落語家が増えてほしい。私も今年で44歳。人妻の気持ちは分かっても、今の子の感覚はあまり分からないので、若い人もピンク落語をやってくれたら、より広い世代に落語を楽しんでもらえるようになるはずです。
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