―18歳で業界に入ったそうですが、風俗嬢の仕事について教えてください
　今までいろんな変態さんが私のもとに来てくれました。持参したハイヒールを私に履かせ、両足で顔を踏んでくれと頼んできたり、一眼レフを持参し、カメラマンでもない私に自分の男性器を美しく撮ってくれとお願いしてきたり。普通の人は引いてしまうかもしれませんが、私はそういうお客様の姿を見ると「かわいいな～」って思うんです。だから、どんな要望も基本的にノリノリで答えています。風俗は前提として性行為をする場所。どんなことでも受けいれてもらえるからこそ、真面目な方や大人しい方、いろんな性癖をお持ちの方が普段見せられない部分をオープンに出してくれる。風俗嬢は、そういうありのままの姿や欲望が見られる、おもしろい職業です。

―風俗嬢の活動の一方、どうして性教育をするようになったのでしょうか？
　働いていると、乱暴をするお客様がいるんです。乱暴といっても暴力ではなく、ガシマンだったり、乳首グリグリをしたり、すぐにイかせようとすること。いわゆるクソ客と呼ばれる方たちの自分勝手な行為のせいで、風俗をやっている自分を不幸に思ってしまう風俗嬢が多いんです。だけど私は、風俗は不幸な仕事ではなく、人に幸せを提供するお仕事だと思っています。女の子に風俗という仕事に誇りを持ってもらうためにも、風俗業界を盛り上げたい。クソ客も悪気があって、痛めつけているわけではないですから、まずは男性向けのセックス講習やSNSでの性教育を始めようと思いました。風俗嬢さんが「〇〇をやめてください」と発信すると、どうしてもネガティブなイメージがついてしまう。だから、みんなの代わりに私が言うからね！という気持ちで性教育の先生をしています。私のXでの投稿を風俗嬢の子たちがリポストしてくれるだけでも、お客様にセックスのマナーが伝わっていくと思うんです。もともと私の風俗でのキャラ設定が、先生みたいになっていたので、性教育をやるのにはちょうど良かったですね。

―男性への性教育では何を一番に伝えていますか？
　相手の女性をリラックスさせようという気持ちで接してほしいということです。相手が興奮しているところが見たくて、セックスするのは自分のエゴ。セミナーのお客様は風俗おじさんが多いのですが、女性のイかせ方のようなプラスのテクニックを教わりたいと思っている方は、びっくりされていると思います。今までの性人生、大事な基礎が抜けていたんだと傷ついているかもしれません（笑）。だけど、私のセミナーに参加すると風俗おじさんもいいセックスができるようで、お気に入りの女の子のところに行って、素敵な時間が過ごせたと喜んでくれる方が本当に多いです。セミナーのお客様はもちろん、風俗嬢の女の子からも反響がきます。女性側から「光杏先生の講習を受けたお客さんが、やさしくなりました」「光杏先生ありがとう！」と言われると嬉しくなりなりますね。お互いが思いやりを持って、セックスをしてほしいというのが私の願いなので、その輪が広がっていると実感できます。最近では、風俗嬢からの紹介でセミナーに来てくださる方も多いんですよ。
―これから挑戦してみたいことは？

―これから挑戦してみたいことは？
　風俗嬢向けのオンラインスクールを始める予定です。最近の風俗嬢は、自らSNSで集客をするため、何か武器がないと簡単には稼げない時代になっているんです。私も過去には集客について悩み、自分なりの技を見つけるために、１年以上休みなくマッサージの勉強をしていました。それをきっかけに、光杏流睾丸マッサージがヒットし、活動の幅が広がった。こんな風に努力が結果を生む世界なのが、風俗業界の楽しいところの一つなんですよね。オンラインスクールでは、テクニックを学べる場所として、やる気ある風俗嬢の手助けがしたいんです。ほかにも自分の悩みを周りに言えずに孤立してしまう方も多いので、コミュニティーとしても発展させていきたいです。