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女子もオープンにエロを発信する時代。 元気でハッピーなエロライフを 16人の女性に聞きました。
心までをも裸にする、対話型の新しい女性間風俗を作る
橘みつ(29)女性間風俗オーナー兼キャスト、iroha部2期生
対話型レズ風俗リリーヴのオーナーでありキャスト。「レズ風俗で働くわたしが、他人の人生に本気でぶつかってきた話」の執筆や、irohaの公式アンバサダーとしても活動中。

 
―※女性間風俗で働き始めたきっかけを教えてください
 学生の頃から精神疾患を持っていたので、大学卒業後は就職しても長くは続かず、昼職を諦めて銀座でホステスをしていました。そこで、男性を相手にすることが自分にとってきつく感じるようになってしまったんです。男性に媚びを売らなくてはいけない仕事だと理解はしていましたが、どんな場面でも男らしくあろうとする男性の姿を見るのがつらかった。その一方で、一緒に付き合いで来ていた女性のお客さんとは、通ずるものがあると感じていたんです。思えば学生の頃に女性とも付き合っていたことや、大学でジェンダー学について学んできたこともあり、女性相手のほうが自分には合っているんだと思いました。それに、女性同士だったら対等に接することができるとも感じていましたね。そんなときに、たまたま女性間風俗のマンガを読んで、この業界で働けばいいんじゃん!と思ったのがきっかけです。

※女性間風俗...女性キャストが女性客に接客する風俗。レズ風俗の俗称で周知されたが、差別的な誤解をはらむ呼称でもあるため、本稿では店名以外を「女性間風俗」と表記する。
―独立して、「対話型レズ風俗リリーヴ」を作った経緯は?
 初めは普通の女性間風俗で働いていました。そこのお店は初回の指名がないところだったので、お客さんにとって私は偶然あてがわれただけなのに、リピートしてもらえることが多くて。きっとそれは、単純に性的なサービスをするだけではなくて、お客さんの不安を安心に変える方法を、私が探していたからだと思います。緊張しているお客さんに対して、どうして利用しようと思ったのかなどを聞くようにしていましたね。おかげでオーナーさんが独立の話をくれて、対話型レズ風俗リリーヴを作りました。対話型になったのは、独立のお話をいただいたときに、「人の深い話を聞くのが得意なんだったら、保健室みたいなお店を作ってみたらいいんじゃない?」とオーナーさんに言われて、確かにって思ったんです。そうしたらお客さんも来やすくなると思うし、そういう場所が女性には必要だとも感じていました。だから、風俗だけど必ずしも脱がなきゃいけないわけじゃない、ただただ話すだけでもいい場所がリリーヴなんです。
 
―仕事では何を意識していますか?
 なるべく本音で話すということです。男性に向けたサービスだったら、思ったことを言うのではなくて必要なことを言ってファンタジーを守り抜かなければいけない。でも私にはそれができなくて、じゃあ何ができるのかを考えたら、嘘をついたり飾ったりしないということでした。ただ、相手が言ってほしいことを言うときはどうしてもあります。でも私に話してくれた意味が絶対あるはずだから、どこでも聞けそうな言葉で返すのではなく本音で話すということを意識していますね。性的な行為をしたい方にも、どうしてしたいのか、どこまでしたいのかを聞いて相手に合わせた接客をしています。今は女性用のセルフプレジャーアイテムもすごく豊富なんです。私はiroha部の2期生でもあるので、心はもちろん体にもしっかりと寄り添えるように務めています。
―接客をしていて印象に残っている出来事はありますか?
 私がいなかったらほかに話せる人はいたのかな?って思うお客さんが来るんですよね。性の悩みを聞いていたはずなのに、その問題にある根っこの部分が芋づる式に出てくるんです。休職中の人や闘病している人、家庭に問題を抱えている人。本当にいろんな人がいて、緊張からたくさんしゃべろうとする人もいるし、話しているうちに涙を流す人もいる。そういう弱い部分って普段は出さないだろうし、出していても周りの人が目を背けているのかもしれない。でも、お金を出して風俗に来て解決するならそれでいいじゃんって思うんです。実際に、仕事で悩んでいた方が転職をしたり、離婚を迷っていた方が決断をしたり、人生が変わった報告を受けるとすごく嬉しい。だから女性を相手にする風俗の仕事は、私の天職だと思います。
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