GRAFFITI CONTENTS
カメラが捉えた事実の断片、監督の問題意識、被写体への想い。さまざまな複雑 性を帯び一つの作品となった映像作品の数々。そんな魅力あふれるドキュメンタリー をジャンルごとに総計100本紹介します。もしかしたら、この中からあなたの人生を 変える、かけがえのない作品を見つけることができるかも。
インベカヲリ★が選ぶドキュメンタリー作品「生命」

インベカヲリ★/写真家、ノンフィクションライター
一般女性を被写体に、人の語りを通じてポートレートを撮影する。また著書も多数執筆し、活躍は多岐にわたる。
一般女性を被写体に、人の語りを通じてポートレートを撮影する。また著書も多数執筆し、活躍は多岐にわたる。
知らない世界生物の不思議
人間だけの地球じゃない
人間だけの地球じゃない

-STORY-
過酷な環境で生きるペンギンの知られざる子育ての様子を、潜入撮影する。
動物にカメラをつけて、生態や行動を観察するドキュメンタリー作品。コウテイペンギンの話で、ヒナが一人立ちできるくらいに成長したタイミングで、親が急にいなくなるんですよね。お腹が減ったヒナたちは、仕方なく海を目指すのですが、ここで登場するのがヒナよりも小さいアデリーペンギン。海まで先導して道案内をしてくれて。途中、大きな鳥がヒナを襲いに来たら、羽を広げて守ってくれる。さながら、町の新入りに道案内をする商店街のおじさんっぽさというか、その人間くささにいい意味でショックを受けました。動物写真家の岩合光昭さんが言っていたのですが、サバンナのライオンのいかにもライオンっぽい動きは、人間が喜ぶことを知っていてサービスでやっているらしいんです。この作品は隠しカメラで撮影しているので、行動は自然そのもの。私の知らない動物の世界で行われる人間味のあるペンギンのやりとりが、まるで仮想現実のように感じられて。地球は人間だけのものではなかったんだと改めて気づかされましたね。
『潜入! スパイカメラ〜ペンギン極限の親子愛』2013年/監督:ジョン・ダウナー
過酷な環境で生きるペンギンの知られざる子育ての様子を、潜入撮影する。
動物にカメラをつけて、生態や行動を観察するドキュメンタリー作品。コウテイペンギンの話で、ヒナが一人立ちできるくらいに成長したタイミングで、親が急にいなくなるんですよね。お腹が減ったヒナたちは、仕方なく海を目指すのですが、ここで登場するのがヒナよりも小さいアデリーペンギン。海まで先導して道案内をしてくれて。途中、大きな鳥がヒナを襲いに来たら、羽を広げて守ってくれる。さながら、町の新入りに道案内をする商店街のおじさんっぽさというか、その人間くささにいい意味でショックを受けました。動物写真家の岩合光昭さんが言っていたのですが、サバンナのライオンのいかにもライオンっぽい動きは、人間が喜ぶことを知っていてサービスでやっているらしいんです。この作品は隠しカメラで撮影しているので、行動は自然そのもの。私の知らない動物の世界で行われる人間味のあるペンギンのやりとりが、まるで仮想現実のように感じられて。地球は人間だけのものではなかったんだと改めて気づかされましたね。
『潜入! スパイカメラ〜ペンギン極限の親子愛』2013年/監督:ジョン・ダウナー
続きは本誌で!
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