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カメラが捉えた事実の断片、監督の問題意識、被写体への想い。さまざまな複雑 性を帯び一つの作品となった映像作品の数々。そんな魅力あふれるドキュメンタリー をジャンルごとに総計100本紹介します。もしかしたら、この中からあなたの人生を 変える、かけがえのない作品を見つけることができるかも。
村田らむが選ぶドキュメンタリー作品「舞台裏」
村田らむ(50)ライター、漫画家、YouTuber
ホームレス取材など幅広い分野で活躍。YouTubeチャンネル『リアル現場主義』を開設し活動の幅を広げている。
制作現場の光と闇
特撮業界の裏側を暴く
-STORY-
1999年に公開された『ガメラ3邪神覚醒』のメイキングビデオ。

 『GAMERA1999』は1999年に公開された『ガメラ邪神覚醒』の製作裏を撮影した、いわばメイキングビデオ。プロデューサー側とクリエイター側の意見の相違や予算不足の問題など、普段はあまり表立って語られることのない製作の裏側を赤裸々に映した作品です。特に印象的だったのが、総監督の金子修介さんが、特技監督の樋口真嗣さんへ指示を飛ばすシーン。演技ではない、樋口さんの本当に従いたくなさそうな顔が見られるのはドキュメンタリーならでは。あの表情を見ると、「これをやりたくないから俺はフリーランスになったんだよな~」とつい思っちゃいます(笑)。とはいえ、特撮や映画製作のリアルな現場が見られるのは、やはりおもしろい。大予算の企画を大人数でなんとか作り上げるワクワク感やそれに対する憧れも同時に味わえます。この作品を観て、それでもこの業界で働きたいと思う人は、製作の仕事が向いているのかもしれません。

『GAMERA1999』
1999年/日本/監督:庵野秀明
続きは本誌で!
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