GRAFFITI CONTENTS
カメラが捉えた事実の断片、監督の問題意識、被写体への想い。さまざまな複雑 性を帯び一つの作品となった映像作品の数々。そんな魅力あふれるドキュメンタリー をジャンルごとに総計100本紹介します。もしかしたら、この中からあなたの人生を 変える、かけがえのない作品を見つけることができるかも。
サリー楓が選ぶドキュメンタリー作品「LGBTQ+」
サリー楓(30)建築デザイナー、モデル
1993年生まれ。建築会社で働く傍ら、モデルや文化人としても活躍。LGBTQ+に関する講演なども講演を行う。
1993年生まれ。建築会社で働く傍ら、モデルや文化人としても活躍。LGBTQ+に関する講演なども講演を行う。
ゲイカップルが老いたとき
何を感じてどう生きるか
何を感じてどう生きるか
-STORY-
台湾初、同性婚テーマの作品。3組の同性カップルが直面した家族の問題を描く。
私はこの映画を観るまで、高齢のゲイカップルの姿を、日常でも映画でも見たことがなかったんです。だからすごく貴重な映像。この二人を見て、初めて恋愛をした先にあるセクシュアルマイノリティの老後について考えることができました。当時同性婚は認められていなかったので、どちらかが入院をしても、法律的に正式な家族じゃないから病室に入れない。制度が整っていないことで、二人には多くの不安がつきまとう。その反面、二人で残りの時間も一緒に過ごそうと決意をする素敵なシーンもある。普段外では同性のお友だちスタイルを装っている二人が、家の中で自然と手をつなぐ。この様子に、恋人だけど戦友のような強い絆と、これまで共にしてきた長い年月を感じました。映画の撮影中に台湾で同性婚が認められ、婚姻届を提出するシーンでも、二人は淡々としているんですね。セクシュアルマイノリティに限らず、不安な世の中で、愛する人との将来を見通せないことがあると思うんです。そんな時代に、世の中が変わっても、自分たちらしく強く生き抜き、愛し合い続ける二人に、誰もが励まされる映画だと思います。
『愛で家族に〜同性婚への道のり』
2020年/台湾/監督:ソフィア・イェン
台湾初、同性婚テーマの作品。3組の同性カップルが直面した家族の問題を描く。
私はこの映画を観るまで、高齢のゲイカップルの姿を、日常でも映画でも見たことがなかったんです。だからすごく貴重な映像。この二人を見て、初めて恋愛をした先にあるセクシュアルマイノリティの老後について考えることができました。当時同性婚は認められていなかったので、どちらかが入院をしても、法律的に正式な家族じゃないから病室に入れない。制度が整っていないことで、二人には多くの不安がつきまとう。その反面、二人で残りの時間も一緒に過ごそうと決意をする素敵なシーンもある。普段外では同性のお友だちスタイルを装っている二人が、家の中で自然と手をつなぐ。この様子に、恋人だけど戦友のような強い絆と、これまで共にしてきた長い年月を感じました。映画の撮影中に台湾で同性婚が認められ、婚姻届を提出するシーンでも、二人は淡々としているんですね。セクシュアルマイノリティに限らず、不安な世の中で、愛する人との将来を見通せないことがあると思うんです。そんな時代に、世の中が変わっても、自分たちらしく強く生き抜き、愛し合い続ける二人に、誰もが励まされる映画だと思います。
『愛で家族に〜同性婚への道のり』
2020年/台湾/監督:ソフィア・イェン
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