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ポリアモリーやオープンリレーションシップ、一夫多妻etc...パートナーに隠しごとをしない新しい恋愛のカタチ。目からウロコの恋愛観とライフスタイルを5組の皆さまに教えてもらいました!
家庭訪問に来た先生には「我が家はお母さんが二人で、こういう家族でやっています」と伝えます

一夫二妻の9人家族
--m e m b e r--
左から:西山ゆかり(39)、西山裕子(44)、
西山嘉克(40)&子どもたち
--R e l a t i o n s h i p--
書道家として活動する嘉克さんは、2012年にゆかりさんと結婚。半年後に、事務所で働いていたシングルマザーの裕
子さんを好きになってしまう。嘉克さんはゆかりさんに正直に打ち明け、「誰かが不幸になったらやめる」という条件のもと一夫二妻の生活をスタート。ゆかりさんとの間に2人、裕子さんとの間に3人の子どもに恵まれ、9人家族になった「西山家」。
自然溢れる佐賀県での暮らしは今年で9年目を迎え、15歳の長男はこの春、寮制の高校に進学。(なお、日本では重婚が禁止されているので、ゆかりさんと籍を入れたあとに離婚、次に裕子さんと籍を入れて離婚。離婚後は旧姓を名
乗れるので、3人とも西山に。)
子どもたちに「誰が一番好き?」って聞かれたら
3人とも迷わず「世界で一番自分が好き」って答えます
―もともと複数恋愛をしていたわけではない3人が、なぜ一夫二妻に?
西山嘉克(以下嘉克):僕は10代20代のときは、どちらかというと女性に苦手意識があったんです。嫌われないようにするのが必死というか、本音を言って受け入れてもらえないなら言わないほうがいいと思っていたことも。そんな僕にとって、ゆかりさんは今まで出会った誰よりも、本音を受け入れてくれる人だった。「この人と一生一緒に生きていこう」と決めて結婚しました。だけど、半年後、事務所のアシスタントをしてくれていた裕子さんを好きになってしまったんです。相当悩みましたが、正直に打ち明けることに。「裕子さんのことも好きになっている自分がいます。これが本当の僕です」と。
第一夫人・西山ゆかり(以下ゆかり):当時は妊娠中でつわりもひどかったし、もちろんショックはありましたよ。だけど、嘉克さんを選んだのは私。本音を言ってくれた彼のありのままを受け入れようと思ったんです。それに、裕子さんには彼の事務所を支えてもらっていたし、プライベートでもすごくお世話になっていて。頼りになるお姉ちゃんのような裕子さんのことを好きになる気持ちもわかったんですよね。
第二夫人・西山裕子(以下裕子):恋愛感情を抱いてからは、ゆかりさんとの関係性を崩したくないと思いつつも、嫉妬心が芽生えることもあって…。どうしたらいいのか本当に迷いました。3人でたくさん話し合った結果「3人で幸せに生きる道もあるのかもしれない」という答えに行き着いたんです。
西山家は、とーちゃん、
かーちゃん、ゆうちゃんです
―すぐに一夫二妻というスタイルには慣れたのですか?
嘉克:いやー、時間が掛かりましたよ(笑)。「誰かが不幸になったらやめる」ということを条件にしていたのですが、当初は二人を同じように愛さないといけないと思っていて。曜日ごとに一緒に寝る相手を変えて工夫していました。今でこそ、それぞれの愛し方が違うとわかったし、自分たちに合うスタイルがあると気づいたんですけどね。
裕子:長男を連れて一緒に住み始めたのですが、私はゆかりさんへの嫉妬心がなくなるまで4年くらい掛かりました。二人の行動を見張っていたときもあったし(笑)。とにかく向き合い尽くしたから、もういいよね、次に行こうって進めたのかなと。ほどほどじゃなくて、とことんやり尽くすことが大事ですね。
ゆかり:うん。本当にありとあらゆる感情を味わい尽くしたよね。私も初めはきつかったけど、3人とも最後まで向き合うことに逃げていなかったから、今があると思います。
嘉克:悲しみ、絶望感、汚い感情、すべて吐き出して受け止め合いました。自分を許して、受け入れて、自分を愛す。だから相手も許して、受け入れて、愛せるようになる。とはいえ、新しいパートナーが入ってくることは望んでないよね。もう手一杯(笑)。
裕子:私も新しい人は無理だなぁ。。ゆかり:そうだね、私たちは、自宅出産でお互いの赤ちゃんを取り上げ合った同士なんです。そこで大きな喜びと絆が生まれました。
―お互いの妊娠、出産を支え合ったということですか?
ゆかり:裕子さんと私が同時期に妊娠して、山奥だったから来てくれる助産師さんがなかなか見つからなくて…。「だったら3人で自宅出産をする!」と決めたんです。
裕子:道徳的にどうなんだ、という意見もあるかもしれませんが、子どもが生まれた瞬間みんなで喜び合えたんです。出産を支え合ったら、もう一心同体って感じですね。嫉妬もなくなっていきましたよ。
嘉克:簡単なことではなかったですよ。助産師さんにアドバイスをもらいながら、みんなでたくさん勉強もしたし、命に向き合うきっかけになりました。
裕子:子どもの誕生日はいつもみんなでお祝いしています。もうすぐ6歳になる長女と次女(お互いの長女)は誕生日が1ヵ月違いなんですけど、ゆかりさんのお腹から出てきた長女は私に似ていて、私のお腹から出てきた次女はゆかりさんに似てるんですよ(笑)。
―子どもたちや地域の人たちの反応は?
嘉克:隠すこともないので、ありのままをざっくばらんに話しています。西山家はたまたまこういう関係で、 「とーちゃん、かーちゃん、ゆうちゃん」それ以上の何者でもないのかなと。
裕子:ゆうちゃんが私。ママと呼ばれることもありますが、あまりお母さん的なことをしていないので、名前で呼ばれる方がラクですね。
ゆかり:かーちゃんが私です。子どもたちは自然に受け入れているのかなと思います。2年生になる三男(裕子さんの次男)の学校に、私が本の読み聞かせに行ったときもみんな自然だし、裕子さんの長男の卒業式にも3人で出席させてもらいました。
裕子:長男は私の連れ子なので、嘉克さんとは血縁関係はないけど「もし私と嘉克さんが離れることがあったらどうする?」と聞いたとき、長男は「とーちゃんについて行く」って言ったんです。血の繋がりの有無よりも、自分にどれだけ向き合ってくれたかどうかが大切なんだろうなって気づかされました。
嘉克:家庭訪問で先生が来たときには「籍は入っていないけどお母さん二人で、こういう家族でやっています。何かあったら言ってください」って伝えますよ。初めはビックリされますけど、9年も経ったので、あの家族は無害だし反社会勢力ではないと理解してもらえているかなと(笑)。
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左から:西山ゆかり(39)、西山裕子(44)、
西山嘉克(40)&子どもたち
--R e l a t i o n s h i p--
書道家として活動する嘉克さんは、2012年にゆかりさんと結婚。半年後に、事務所で働いていたシングルマザーの裕
子さんを好きになってしまう。嘉克さんはゆかりさんに正直に打ち明け、「誰かが不幸になったらやめる」という条件のもと一夫二妻の生活をスタート。ゆかりさんとの間に2人、裕子さんとの間に3人の子どもに恵まれ、9人家族になった「西山家」。
自然溢れる佐賀県での暮らしは今年で9年目を迎え、15歳の長男はこの春、寮制の高校に進学。(なお、日本では重婚が禁止されているので、ゆかりさんと籍を入れたあとに離婚、次に裕子さんと籍を入れて離婚。離婚後は旧姓を名
乗れるので、3人とも西山に。)
子どもたちに「誰が一番好き?」って聞かれたら
3人とも迷わず「世界で一番自分が好き」って答えます
―もともと複数恋愛をしていたわけではない3人が、なぜ一夫二妻に?
西山嘉克(以下嘉克):僕は10代20代のときは、どちらかというと女性に苦手意識があったんです。嫌われないようにするのが必死というか、本音を言って受け入れてもらえないなら言わないほうがいいと思っていたことも。そんな僕にとって、ゆかりさんは今まで出会った誰よりも、本音を受け入れてくれる人だった。「この人と一生一緒に生きていこう」と決めて結婚しました。だけど、半年後、事務所のアシスタントをしてくれていた裕子さんを好きになってしまったんです。相当悩みましたが、正直に打ち明けることに。「裕子さんのことも好きになっている自分がいます。これが本当の僕です」と。
第一夫人・西山ゆかり(以下ゆかり):当時は妊娠中でつわりもひどかったし、もちろんショックはありましたよ。だけど、嘉克さんを選んだのは私。本音を言ってくれた彼のありのままを受け入れようと思ったんです。それに、裕子さんには彼の事務所を支えてもらっていたし、プライベートでもすごくお世話になっていて。頼りになるお姉ちゃんのような裕子さんのことを好きになる気持ちもわかったんですよね。
第二夫人・西山裕子(以下裕子):恋愛感情を抱いてからは、ゆかりさんとの関係性を崩したくないと思いつつも、嫉妬心が芽生えることもあって…。どうしたらいいのか本当に迷いました。3人でたくさん話し合った結果「3人で幸せに生きる道もあるのかもしれない」という答えに行き着いたんです。
西山家は、とーちゃん、
かーちゃん、ゆうちゃんです
―すぐに一夫二妻というスタイルには慣れたのですか?
嘉克:いやー、時間が掛かりましたよ(笑)。「誰かが不幸になったらやめる」ということを条件にしていたのですが、当初は二人を同じように愛さないといけないと思っていて。曜日ごとに一緒に寝る相手を変えて工夫していました。今でこそ、それぞれの愛し方が違うとわかったし、自分たちに合うスタイルがあると気づいたんですけどね。
裕子:長男を連れて一緒に住み始めたのですが、私はゆかりさんへの嫉妬心がなくなるまで4年くらい掛かりました。二人の行動を見張っていたときもあったし(笑)。とにかく向き合い尽くしたから、もういいよね、次に行こうって進めたのかなと。ほどほどじゃなくて、とことんやり尽くすことが大事ですね。
ゆかり:うん。本当にありとあらゆる感情を味わい尽くしたよね。私も初めはきつかったけど、3人とも最後まで向き合うことに逃げていなかったから、今があると思います。
嘉克:悲しみ、絶望感、汚い感情、すべて吐き出して受け止め合いました。自分を許して、受け入れて、自分を愛す。だから相手も許して、受け入れて、愛せるようになる。とはいえ、新しいパートナーが入ってくることは望んでないよね。もう手一杯(笑)。
裕子:私も新しい人は無理だなぁ。。ゆかり:そうだね、私たちは、自宅出産でお互いの赤ちゃんを取り上げ合った同士なんです。そこで大きな喜びと絆が生まれました。
―お互いの妊娠、出産を支え合ったということですか?
ゆかり:裕子さんと私が同時期に妊娠して、山奥だったから来てくれる助産師さんがなかなか見つからなくて…。「だったら3人で自宅出産をする!」と決めたんです。
裕子:道徳的にどうなんだ、という意見もあるかもしれませんが、子どもが生まれた瞬間みんなで喜び合えたんです。出産を支え合ったら、もう一心同体って感じですね。嫉妬もなくなっていきましたよ。
嘉克:簡単なことではなかったですよ。助産師さんにアドバイスをもらいながら、みんなでたくさん勉強もしたし、命に向き合うきっかけになりました。
裕子:子どもの誕生日はいつもみんなでお祝いしています。もうすぐ6歳になる長女と次女(お互いの長女)は誕生日が1ヵ月違いなんですけど、ゆかりさんのお腹から出てきた長女は私に似ていて、私のお腹から出てきた次女はゆかりさんに似てるんですよ(笑)。
―子どもたちや地域の人たちの反応は?
嘉克:隠すこともないので、ありのままをざっくばらんに話しています。西山家はたまたまこういう関係で、 「とーちゃん、かーちゃん、ゆうちゃん」それ以上の何者でもないのかなと。
裕子:ゆうちゃんが私。ママと呼ばれることもありますが、あまりお母さん的なことをしていないので、名前で呼ばれる方がラクですね。
ゆかり:かーちゃんが私です。子どもたちは自然に受け入れているのかなと思います。2年生になる三男(裕子さんの次男)の学校に、私が本の読み聞かせに行ったときもみんな自然だし、裕子さんの長男の卒業式にも3人で出席させてもらいました。
裕子:長男は私の連れ子なので、嘉克さんとは血縁関係はないけど「もし私と嘉克さんが離れることがあったらどうする?」と聞いたとき、長男は「とーちゃんについて行く」って言ったんです。血の繋がりの有無よりも、自分にどれだけ向き合ってくれたかどうかが大切なんだろうなって気づかされました。
嘉克:家庭訪問で先生が来たときには「籍は入っていないけどお母さん二人で、こういう家族でやっています。何かあったら言ってください」って伝えますよ。初めはビックリされますけど、9年も経ったので、あの家族は無害だし反社会勢力ではないと理解してもらえているかなと(笑)。

二人だけの直線関係より
三角関係が良いときも
―3人が良い関係でいるための秘訣はありますか?
嘉克:人には人の幸せがあるから、決めつけをしないことかな。親子でも恋人でも、お互いに決めつけをやめると人間関係は丸く収まると思います。僕らは、相手を変えようするのを良い意味で諦めた3人なんです。
ゆかり:私たちは3人で生きているようで、自分の幸せを一番に考えているんです。自分自身とパートナーシップを取れていなければ、ほかの人とのパートナーシップなんて取れない。
嘉克:そうだね。3人に「誰が一番好き?」と聞いたら、みんな「自分」って言います。逆に自分が好きじゃないときは、ケンカが生まれますよ。
裕子:ゆかりさんが楽しく生きていないと嫌だから、そういうときは怒ります。「私に遠慮しないで!」とか「自分に失礼でしょ!」って。
ゆかり:私も、裕子さんが悲しい思いをしているのがめちゃめちゃ嫌なんですよ。裕子さんが自分のことを卑下していると私が怒るときもあります。
嘉克:世界で一番自分を愛しているのは自分!とお互いに言えるときはうまくいっています。
ゆかり:秘訣じゃないけど、3人って良いバランスなんです。二人がケンカしていても、一人が間に入れる。二人だけの直線関係より三角関係っていいなって思います。
裕子:そうだね。3人でケンカすることはないし、誰かが間に入るもんね。
私の根底には、大奥の妻的な考えがあるんだと思う
―3人にとって浮気や不倫とは?
裕子:うーん、浮気かぁ…。1日の半分以上は私のことを考えてって言っているんですが、それ以下になったら浮気かな(笑)。
嘉克:気が浮つくのは自然な反応で、不倫は自分自身の選択かな。僕は、結婚という概念にはあまり興味がないんですが、家族にはこだわりがあります。僕にとって家族というのは、お互いに誠実であるという信頼関係のもと成立しています。テレビを観て「あの子かわいいな」と気が浮つく反応が出るのは自然だけど、それを行為に移す不誠実な選択をしたら信頼関係が壊れてしまいます。それで家族が崩壊しても文句は言えない。だから僕は不倫をする勇気はないですね。先に二人に相談すると思います。
ゆかり:私、昨日シャワーを浴びながら、ふと「嘉克さんのDNAとか種が広がればいいな」って思ったんですよ。私は、本能的にこの考えがあるから裕子さんのことも受け入れられたんじゃないかな。
嘉克:そんなこと考えてたの? 初めて聞いたよ(笑)。これ、自然界で言ったら最高の褒め言葉だよね。
ゆかり:なんかね、ずっと思ってたのよ。大奥ってあったじゃない? 昔の位が高い人やその妻って、より良い種を残したいという思いが強かったから、成り立っていたわけで。私の中にもその考えが根底にあるんだと思う。
裕子:複数恋愛がうまくいっている人たちって、その中に一人は、ゆかりさんみたいな考えの人がいるんだろうな。だって、もし嘉克さんが不倫や浮気の相談をしてきたとして、ゆかりさんが「種を残せるならいいじゃない」って受け入れたとしても、私は嘉克さんに「何言ってんじゃボケー」ってめちゃくちゃキレると思います(笑)。
―ポリアモリーを実践したいという人へのアドバイスはありますか?
裕子:たまに相談を受けますが、ポリアモリーになれば幸せになれるなんていうことはないと思います。それは結婚をすれば幸せになれる、という絶対的なことがないのと同じ。どんな関係性であれ、目の前の人とどこまで話し合えるかが大事だと思います。
嘉克:そうですね。僕らはたまたま自分たちのスタンスに合っていただけで、広めたいとも思っていません。結婚は人間が作ったシステムやルール。ルールであれば時代に合わせて変えてもいいんじゃないかなと思います。たとえば、結婚は3年ごとの更新制にするとか。そうすれば結婚にあぐらをかくこともなく、お互い真摯に向き合い、自分たちにとっての幸せを育んでいけるかもしれませんね。
裕子:私たちも、籍は抜いているけど国からひとり親手当をもらっているわけでもないし、そもそもひとり親ではないし。籍って不思議。
ゆかり:選択できるといいですよね。答えは一個でなくていいし、みんなで一緒に考えられるといいですよね。
嘉克:不謹慎だと思われるかもしれませんが、離婚であれ死別であれ、別れは必ずくるから、最後の別れ方を考えておくことは大事だと思います。お互いに最後は「一緒にいられて最高に幸せだった」と言えるようにすると決めたなら、毎日を一緒に幸せに生きようとするんじゃないかな。
三角関係が良いときも
―3人が良い関係でいるための秘訣はありますか?
嘉克:人には人の幸せがあるから、決めつけをしないことかな。親子でも恋人でも、お互いに決めつけをやめると人間関係は丸く収まると思います。僕らは、相手を変えようするのを良い意味で諦めた3人なんです。
ゆかり:私たちは3人で生きているようで、自分の幸せを一番に考えているんです。自分自身とパートナーシップを取れていなければ、ほかの人とのパートナーシップなんて取れない。
嘉克:そうだね。3人に「誰が一番好き?」と聞いたら、みんな「自分」って言います。逆に自分が好きじゃないときは、ケンカが生まれますよ。
裕子:ゆかりさんが楽しく生きていないと嫌だから、そういうときは怒ります。「私に遠慮しないで!」とか「自分に失礼でしょ!」って。
ゆかり:私も、裕子さんが悲しい思いをしているのがめちゃめちゃ嫌なんですよ。裕子さんが自分のことを卑下していると私が怒るときもあります。
嘉克:世界で一番自分を愛しているのは自分!とお互いに言えるときはうまくいっています。
ゆかり:秘訣じゃないけど、3人って良いバランスなんです。二人がケンカしていても、一人が間に入れる。二人だけの直線関係より三角関係っていいなって思います。
裕子:そうだね。3人でケンカすることはないし、誰かが間に入るもんね。
私の根底には、大奥の妻的な考えがあるんだと思う
―3人にとって浮気や不倫とは?
裕子:うーん、浮気かぁ…。1日の半分以上は私のことを考えてって言っているんですが、それ以下になったら浮気かな(笑)。
嘉克:気が浮つくのは自然な反応で、不倫は自分自身の選択かな。僕は、結婚という概念にはあまり興味がないんですが、家族にはこだわりがあります。僕にとって家族というのは、お互いに誠実であるという信頼関係のもと成立しています。テレビを観て「あの子かわいいな」と気が浮つく反応が出るのは自然だけど、それを行為に移す不誠実な選択をしたら信頼関係が壊れてしまいます。それで家族が崩壊しても文句は言えない。だから僕は不倫をする勇気はないですね。先に二人に相談すると思います。
ゆかり:私、昨日シャワーを浴びながら、ふと「嘉克さんのDNAとか種が広がればいいな」って思ったんですよ。私は、本能的にこの考えがあるから裕子さんのことも受け入れられたんじゃないかな。
嘉克:そんなこと考えてたの? 初めて聞いたよ(笑)。これ、自然界で言ったら最高の褒め言葉だよね。
ゆかり:なんかね、ずっと思ってたのよ。大奥ってあったじゃない? 昔の位が高い人やその妻って、より良い種を残したいという思いが強かったから、成り立っていたわけで。私の中にもその考えが根底にあるんだと思う。
裕子:複数恋愛がうまくいっている人たちって、その中に一人は、ゆかりさんみたいな考えの人がいるんだろうな。だって、もし嘉克さんが不倫や浮気の相談をしてきたとして、ゆかりさんが「種を残せるならいいじゃない」って受け入れたとしても、私は嘉克さんに「何言ってんじゃボケー」ってめちゃくちゃキレると思います(笑)。
―ポリアモリーを実践したいという人へのアドバイスはありますか?
裕子:たまに相談を受けますが、ポリアモリーになれば幸せになれるなんていうことはないと思います。それは結婚をすれば幸せになれる、という絶対的なことがないのと同じ。どんな関係性であれ、目の前の人とどこまで話し合えるかが大事だと思います。
嘉克:そうですね。僕らはたまたま自分たちのスタンスに合っていただけで、広めたいとも思っていません。結婚は人間が作ったシステムやルール。ルールであれば時代に合わせて変えてもいいんじゃないかなと思います。たとえば、結婚は3年ごとの更新制にするとか。そうすれば結婚にあぐらをかくこともなく、お互い真摯に向き合い、自分たちにとっての幸せを育んでいけるかもしれませんね。
裕子:私たちも、籍は抜いているけど国からひとり親手当をもらっているわけでもないし、そもそもひとり親ではないし。籍って不思議。
ゆかり:選択できるといいですよね。答えは一個でなくていいし、みんなで一緒に考えられるといいですよね。
嘉克:不謹慎だと思われるかもしれませんが、離婚であれ死別であれ、別れは必ずくるから、最後の別れ方を考えておくことは大事だと思います。お互いに最後は「一緒にいられて最高に幸せだった」と言えるようにすると決めたなら、毎日を一緒に幸せに生きようとするんじゃないかな。
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