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カップルや夫婦でもあり、親友でもあり、仕事仲間でもある。まさに同志のような二人は、お互いをどんな存在だと思ってるんだろう? 12組の唯一無二のカップルの暮らしとストーリーを紹介します。(WEBでは5組のカップルをPICKUP)
COUPLE_04 部屋と鉄道模型に思い出を刻む アーティスト夫婦
〝部屋には二人の思い出が、脳内には幸せが詰まってる〟
![](/uploads/contents/img_01_LRnv231320.jpg)
彼:尾形一郎/アーティスト、写真家
彼女:尾形優/アーティスト、建築家
早稲田大学理工学部で出会った二人は結婚して約30年。諸外国への旅、写真や建築、
ジオラマの制作を通して異次元的な世界観を発表し続ける。
〝結婚して30年一緒にいますが
一度名字は変えています〟
―どれくらい一緒に過ごしていますか?
彼女・尾形優(以下、優):結婚したのは私が23歳のとき。それから約30年間ずっと一緒にいます。でも、何回か籍を抜いたりしているんですよ。
彼・尾形一郎(以下、一郎):始めは僕の名字の「小野」にしていたんだけど、なんとなく僕らにはしっくりこなくて、1回籍を抜いたんです。
優:そのあと、夫婦別姓が認められるのを待っていました。ですが、なかなか制度が整わないので10年前にもう一度、私の名字の「尾形」で籍を入れ直したんです。
一郎:写真家としては「小野一郎」名義の方が有名でしたが、一度リセットしてもいいかなと思ったんです。別人としてリスタートした方が人生楽しいかなって。
優:戸籍上と仕事で使い分けてもいいのでは?って言ったんですが、彼は「もう、充分やり切ったからリセットしてもいい」って。小野一郎どこ行った?って探されたこともありましたね(笑)。
一郎:周りには迷惑をかけたけど、旧姓でなくなったら気楽になりました。そのあともアフリカや中国に二人で行ったよね。セスナで砂漠の上を飛んで。楽しかったね。
彼女:尾形優/アーティスト、建築家
早稲田大学理工学部で出会った二人は結婚して約30年。諸外国への旅、写真や建築、
ジオラマの制作を通して異次元的な世界観を発表し続ける。
〝結婚して30年一緒にいますが
一度名字は変えています〟
―どれくらい一緒に過ごしていますか?
彼女・尾形優(以下、優):結婚したのは私が23歳のとき。それから約30年間ずっと一緒にいます。でも、何回か籍を抜いたりしているんですよ。
彼・尾形一郎(以下、一郎):始めは僕の名字の「小野」にしていたんだけど、なんとなく僕らにはしっくりこなくて、1回籍を抜いたんです。
優:そのあと、夫婦別姓が認められるのを待っていました。ですが、なかなか制度が整わないので10年前にもう一度、私の名字の「尾形」で籍を入れ直したんです。
一郎:写真家としては「小野一郎」名義の方が有名でしたが、一度リセットしてもいいかなと思ったんです。別人としてリスタートした方が人生楽しいかなって。
優:戸籍上と仕事で使い分けてもいいのでは?って言ったんですが、彼は「もう、充分やり切ったからリセットしてもいい」って。小野一郎どこ行った?って探されたこともありましたね(笑)。
一郎:周りには迷惑をかけたけど、旧姓でなくなったら気楽になりました。そのあともアフリカや中国に二人で行ったよね。セスナで砂漠の上を飛んで。楽しかったね。
![](/uploads/contents/img_02_c91C231324.jpg)
〝8メートルの鉄道模型は
家の中にある別世界〟
―趣味や仕事が一緒であるメリットは?
一郎:彼女と一緒にいると良いことが起こるんですよ。特別楽しいことが。
優:そうなんですよね。偶然憧れの人に出会えたり。旅行中、突然映画のワンシーンのような光景が目の前で繰り広げられていったり。
一郎:30代くらいまでは、編集者さんと僕とで撮影に出ることも多かったのですが、やっぱり彼女と一緒に行くほうが楽しくて。二人で行けるように仕事を調整しました。メキシコ、ナミビア、中国、アフリカ、ソ連などさまざまな国へ二人で行きましたね。
優:旅先で出会った思い出の品や民芸品を家の中にコレクションしているんです。毛沢東人形は彼の趣味ですけどね。
一郎:家も、その時々の二人の感情で変わります。メキシコに行っていた時期は壁もピンクで明るかったよね。
優:そうそう。でも、2003年〜06年に通ったナミビアの砂漠の風景がとても印象的で。砂に消えて闇に溶け込むイメージが自分たちの気分に合っちゃったんですよね。入口に向かって壁やインテリアもグレーに塗りました。
一郎:この家の奥にある、8メートル×2メートルの大型鉄道模型のジオラマにも旅の思い出をたくさん反映しています。
優:鉄道模型を作るのが好きな一郎さんに「家の中にも、もう一つの小さな都市を作りたい」ってお願いして。ジオラマには、私たちの常識を覆してくれた旅先の街や建物を再現しています。
一郎:製作には10年以上かかりますが、楽しい痕跡や思い出を再び創造することはとても楽しい作業です。
―では、デメリットは?
一郎:世の中から隔絶しちゃうことですね。二人だけの幸せで終わろうとしてしまう。
優:二人でいることが一番楽しいし、本当に良いことばかりが起こるので、誰かと会うことが少なくなってしまうんですよね。
一郎:僕はオタク生活が好きだし、鉄道模型を作っていられればそれだけでいいんです。家の中の思い出の品や鉄道模型を見ていると、だんだん家の外へ出かけなくてもいいように感じてきてしまう。
優:どこかに行くのが減ったよね。
一郎:そうだね。二人だけの世界は充分幸せなのですが、少し社会貢献もしないといけないかもと思っています。このままだと寂しい老人になってしまうなと(笑)。
家の中にある別世界〟
―趣味や仕事が一緒であるメリットは?
一郎:彼女と一緒にいると良いことが起こるんですよ。特別楽しいことが。
優:そうなんですよね。偶然憧れの人に出会えたり。旅行中、突然映画のワンシーンのような光景が目の前で繰り広げられていったり。
一郎:30代くらいまでは、編集者さんと僕とで撮影に出ることも多かったのですが、やっぱり彼女と一緒に行くほうが楽しくて。二人で行けるように仕事を調整しました。メキシコ、ナミビア、中国、アフリカ、ソ連などさまざまな国へ二人で行きましたね。
優:旅先で出会った思い出の品や民芸品を家の中にコレクションしているんです。毛沢東人形は彼の趣味ですけどね。
一郎:家も、その時々の二人の感情で変わります。メキシコに行っていた時期は壁もピンクで明るかったよね。
優:そうそう。でも、2003年〜06年に通ったナミビアの砂漠の風景がとても印象的で。砂に消えて闇に溶け込むイメージが自分たちの気分に合っちゃったんですよね。入口に向かって壁やインテリアもグレーに塗りました。
一郎:この家の奥にある、8メートル×2メートルの大型鉄道模型のジオラマにも旅の思い出をたくさん反映しています。
優:鉄道模型を作るのが好きな一郎さんに「家の中にも、もう一つの小さな都市を作りたい」ってお願いして。ジオラマには、私たちの常識を覆してくれた旅先の街や建物を再現しています。
一郎:製作には10年以上かかりますが、楽しい痕跡や思い出を再び創造することはとても楽しい作業です。
―では、デメリットは?
一郎:世の中から隔絶しちゃうことですね。二人だけの幸せで終わろうとしてしまう。
優:二人でいることが一番楽しいし、本当に良いことばかりが起こるので、誰かと会うことが少なくなってしまうんですよね。
一郎:僕はオタク生活が好きだし、鉄道模型を作っていられればそれだけでいいんです。家の中の思い出の品や鉄道模型を見ていると、だんだん家の外へ出かけなくてもいいように感じてきてしまう。
優:どこかに行くのが減ったよね。
一郎:そうだね。二人だけの世界は充分幸せなのですが、少し社会貢献もしないといけないかもと思っています。このままだと寂しい老人になってしまうなと(笑)。
![](/uploads/contents/img_03_rk3B231710.jpg)
〝夫婦とか友だちというより
脳が拡大するような感じ〟
―相手はあなたにとってどんな存在?
一郎:家族でも夫婦でも、親友でもなくて。あえていうなら、自分の脳を拡大してくれる存在かな。思い出を部屋と二人の脳内に残しているだけなんです。あと、彼女は好奇心やイマジネーションがたくさんあるから、一緒にいると大きな夢が持てるんです。一人では考えつかないような。
優:私も同じですね。彼は私がイメージしたものを形にしてくれるんです。望んでることを具現化してくれる、すごく親切でおもしろい人ですね。
一郎:特別なことでなくても、二人で「これ、おいしいね」「あの旅は楽しかったね」って時間を共有できればいい。出会ったときのままの、ホワホワした楽しい感じがずっと続いてるんですよね。ただただ一緒いて楽しい人です。
脳が拡大するような感じ〟
―相手はあなたにとってどんな存在?
一郎:家族でも夫婦でも、親友でもなくて。あえていうなら、自分の脳を拡大してくれる存在かな。思い出を部屋と二人の脳内に残しているだけなんです。あと、彼女は好奇心やイマジネーションがたくさんあるから、一緒にいると大きな夢が持てるんです。一人では考えつかないような。
優:私も同じですね。彼は私がイメージしたものを形にしてくれるんです。望んでることを具現化してくれる、すごく親切でおもしろい人ですね。
一郎:特別なことでなくても、二人で「これ、おいしいね」「あの旅は楽しかったね」って時間を共有できればいい。出会ったときのままの、ホワホワした楽しい感じがずっと続いてるんですよね。ただただ一緒いて楽しい人です。
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